サイディング工事

施工上の禁止事項

2.2 施工上の禁止事項

(1)傾斜のあるパラペットなどへの施工

垂直の壁面に比べ、屋根に近い過酷な条件に曝され、塗膜の劣化、凍害、雨漏りが促進されるので、サイディングは使用しない。

窯業系サイディングの標準施工

(2)常時水のかかる場所や、水蒸気の発生する場所への施工

異常な水分や熱などの影響により、吸水や乾燥などの過酷な条件に曝され、反り、凍害、強度低下、割れの原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(3)裏面から雨のかかる場所や塀などへの施工

裏面側は仕上げ塗装が施されていないので、裏面からの吸水は反りなどの原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(4)透湿性の低い防水紙の施工

結露、凍害の原因となるので、透湿し難いプラスチック系フィルム、ルーフィングなどを張るのは避ける。

窯業系サイディングの標準施工

(5)伝い水の原因となる施工

サッシ枠からの排水がサイディング表面を伝い流れるとサッシ両端部のサイディングが汚れたり、寒冷地などでは、凍害の原因になる。サッシからの排水がサイディング表面に伝わらない構造とする。

窯業系サイディングの標準施工

(6)サイディングの乱張りや斜め張り

目地ジョイナーや水切ジョイナーとサイディングの取り合い部の納まりとの工事の不良により雨漏りの原因となる。(一部工法については、協会各社に問い合わせる)

窯業系サイディングの標準施工

(7)接合部の突付け施工

サイディングを突付け施工すると、雨漏りや凍害の原因になる。(特殊な接合部の仕様で、突付け施工する場合は、協会各社に問い合わせる)

窯業系サイディングの標準施工

(8)基礎部のモルタルへの埋込み施工

毛細管現象によりサイディングが多量の水分を吸水し、凍害や塗膜剥離、カビなどの原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(9)外勾配の笠木の取り付け

笠木を外勾配にすると雨水がサイディング表面を多量に流れ、汚れなどの原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(10)縦張り用サイディングを横に張る施工

「縦張り用サイディング」は「横張り用サイディング」と比べ、合いじゃくりに雨水がたまりやすい形状のため、汚れや吸水による凍害などの原因になる。

窯業系サイディングの標準施工

(11)下地幅90mm未満での接合部の施工

木下地の場合、目地部の下地胴縁の幅が90mm以上確保出来ない場合は、くぎ又はねじの留め付け時、板端部からの距離が不足し、割れなどの原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(12)サイディングへのタイルなどの直張り

タイルが割れたり、剥離することがある。(特殊な仕様で、タイル張り施工などをする場合は、協会各社に問い合わせる)

窯業系サイディングの標準施工

(13)塗膜の厚いセメントスタッコなどの施工

塗膜の厚い塗料はサイディングとの密着強度不足により、塗膜剥離などの原因となる。(特殊な仕様で、厚塗り施工などをする場合は、協会各社に問い合わせる)

窯業系サイディングの標準施工

(14)壁体内に湿気が入る構造となる換気口の取付け

サイディングの施工後に換気口を設けると壁体内に湿気が入る構造になりやすく、結露、雨漏り、凍害などの原因となる。接続パイプなどは、サイディング施工前に取り付ける。

窯業系サイディングの標準施工

(15)小屋裏換気のない無落雪屋根のパラペット

サイディング裏面及び壁体内の結露の原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(16)鉄骨への直留め

鉄骨へのサイディング直留めは、留め付け部に「遊び」がないため、鉄骨の挙動を吸収できず、サイディング留め付け部が破損しやすいこと、また直留めは通常通気構法とならない。
(但し、協会各社が指定する、直留め方法及び通気措置の仕様はこの限りではない)

窯業系サイディングの標準施工

(17)同質出隅の横使い

裏面にまわった雨水や結露水の排出、及び通気構法の吸気ができないことにより、雨漏りや凍害、下地の腐朽の原因となる。(専用部材を使用して同質出隅を納める場合は、専用部材設定の協会各社に問い合わせる)

窯業系サイディングの標準施工

(18)集合煙突への施工

煙突内で発生した水分が外部へしみ出し、裏面からサイディングが吸水して、反りや凍害の原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

(19)水切への突付け施工

土台水切や中間水切への突付け施工は、毛細管現象により吸水し、基材劣化や凍害の原因となる。

窯業系サイディングの標準施工

上記掲載内容は一般社団法人日本窯業外装材協会(NYG)発行『窯業系サイディングと標準施工』第4版(P.11〜14)より引用
出典:一般社団法人日本窯業外装材協会

TOP